A DOCUMETARY FILM OF LOSTAGE -ひかりのまち、わたしたちの-

A DOCUMETARY FILM OF LOSTAGE -ひかりのまち、わたしたちの-

INTRODUCTION

生活とは何か。
音楽で飯を食うとは何か。
ロックバンドとは、いったい何なのか。

奈良を拠点に全国のライブハウスで活動を続けるスリーピースロックバンド・LOSTAGE(ロストエイヂ)。
彼らの作品はヒットチャートには反映されない──大手の流通や販売方法を使わずに、チャートに載らない道をあえて選び、
それでも全作品が5,500枚以上のセールスを記録し、旧譜は今もなお再プレスされ続け、売上を更新し続けている。

40代を迎えてからは、47都道府県すべてを巡る全国ツアー(各地ソールドアウト続出)や、日比谷野外音楽堂でのワンマン公演成功など、
年齢や性別を問わず全国に熱狂的ファンを持つ稀有な現役バンド。
結成25年目。メンバー3人はそれぞれ奈良で家庭を築き、地域密着の店を運営するなど、生活と地続きのまま音楽活動を続けている。
かつては“ロックバンドとして大成すること”を期待され、メジャーデビューも経験した彼ら。
その後、2011年を転換点に、現実に翻弄されながら歩んできた紆余曲折の日々と、その軌跡。

数多くのバンドマンから“神格化”されるほどの存在でありながら、同時に“生活者”として地に足をつける3人。
家庭を持ちながら、夢のような活動を続けてきたLOSTAGEの「ありのまま」の謎・魅力に迫る、密着ドキュメンタリームービー。

A DOCUMETARY FILM OF LOSTAGE INTRODUCTION

PROFILE

2001年秋に奈良で結成され、結成25年目を迎える。ノイジーなギターと骨太なリズム、そして狂気と気怠さをはらんだボーカルが一体となった、スケールの大きなサウンドが高く評価されている。現在、楽曲のほとんどがサブスクや配信をしておらず、さらに大手の流通も通さずボーカル五味岳久が店長を務めるレコードショップ「THROAT RECORDS」店頭およびオンラインストア、ライブ物販のみでの販売で、CDの累計売上は50,000枚を越える。

  • 五味 岳久
    五味 岳久(46)
    ボーカル、ベース、リーダー

    奈良でバンド活動を行う傍ら、中古レコードショップ兼音楽レーベル「THROAT RECORDS」を運営。イラスト制作も行う。オルタナティブロックの神様。

  • 五味 拓人
    五味 拓人(43)
    ギター

    奈良でバンド活動を行う傍ら、旬の素材や地元・奈良の食材を使ったイタリアンメインのお料理や地酒のお店「korekara」を切り盛り。現存する日本最高のギタリスト。

  • 岩城 智和
    岩城 智和(46)
    ドラム

    奈良でバンド活動を行う傍ら、音楽スタジオイーフラット、ライブハウスNEVERLANDの運営に携わる時期も。ZildjianとLERNIとエンドース契約。日本最高峰ドラムの鬼。

場面写真

DIRECTOR

監督 MINORxU

監督 MINORxU

1978年 東京生まれ。多摩美術大学卒業。
Age Factory、comeback my daughters、envy、FIXED、Gotch、KenYokoyama、LOSTAGE、MEANING、mouse on the keys、My Hair is Bad、PEDRO、ROPES、SLANG、There is a light that never goes out、WANIMA、Z、サバシスター、チャットモンチー などの映像作品を手掛ける。LOSTAGEとは20年来の関係性。

監督コメント

「幸福とは何か?」
彼らの活動を見ていると、いつもそんな問いを思い浮かべてしまう。
それはかつて彼らが憧れていた「オルタナティヴロック」の名だたるバンドの姿とは、どこか対極にありそうなキーワードにも関わらず、だ。
初期のLOSTAGEは、青年期特有の焦燥や衝動に満ちていた。不満や怒りを抱えながらも、ロックのフォーマットの上でギリギリのバランスを保とうとしている。そんなふうに見えていた。
ヒリヒリとしたオルタナティヴロックの教科書のような姿がそこにはあった。
しかし、海外のオルタナティヴロックに深く共鳴しながらも、その土壌のない日本で同じような音を鳴らすことは、次第に大きな歪みを生んでいく。
彼らが彼らであろうとするほど、その違和感は膨らみ、やがて限界を迎えた。
アメリカのように“オルタナティヴな精神性”が主流へと取り込まれていった環境とは異なり、彼らの居場所は日本のロックシーンの「主流」にはない。そう悟り彼らは決断する。
ないならば自分たちで作る。
オルタナティヴロックの礎を築いたハードコアパンクのDIY精神と相まって、
「別の選択肢」つまり「オルタナティヴ」な方法論を掲げて無い場所を自ら耕し始めたのだ。
それは同時に「市井の人」としての振る舞いを貫いていく姿として自分には映っていた。
生活をする上で大事なことを何も諦めずに生きていく。
仕事、家族、地元、仲間――そのすべてを犠牲にしない。音楽を、バンドを中心に置きながら、それを成立させるために何かを引き換えにする事をやめて、全ての行為を音楽を鳴らす理由に昇華させていく。
LOSTAGEを想う時、「幸福とは何か?」となる理由はそれだ。
仕事を得て、家族を持ち、誠実に音楽と向き合える環境。
バンドを始めた当初に夢見た姿とは違うかもしれない。
それでも彼らは音楽を中心とした生活を手に入れ活動を続けている。
オルタナティヴロックが形骸化してしまった今、彼らはむしろ本当の意味での「オルタナティヴ」な理想郷に近づいているのではないだろうか。
幸福とは、「居場所」があるということ。
そんなことはこの映画を作り終えるまで考えてもみなかった。
些細な違和感も蔑ろにしない。そこに向き合い、自分たちで自分たちの場所を整えていく。その姿は常に自分の指針にもなっている。
この映画は、その記録であり、どうしても多くの人と共有したかったLOSTAGEの一部だ。
彼らがサブスクなどを使って安易な広め方をしないというのなら、映画という彼らにとっての「オルタナティヴ」な方法でLOSTAGEを知ってもらうきっかけを作れたら、という思いで制作した。
彼らはあなたに積極的に問いかけないかもしれない。
それでも世界のどこかで、必ず音を鳴らし続けている。
もしこの映画を観てその生き方に共鳴したならば、ぜひ彼らの「居場所」を探してみてほしい。
それがあなた自身の「居場所」かどうかはわからない。
けれど、もし「ここも違う」と感じたのなら、ない場所を作り出していく姿勢が、この作品には描かれている。 地図にない場所。
彼らの桃源郷。
ひかりのまちのありか。
その道標となる映画になれば嬉しい。

TRAILER

A DOCUMETARY FILM OF LOSTAGE -ひかりのまち、わたしたちの-

出演:LOSTAGE 
監督:MINORxU

企画・プロデュース:荒屋文宏 
プロデューサー:宮川宗生 伊藤聖 
アソシエイトプロデューサー:成瀬敏康
製作:ホリプロ NAKACHIKA PICTURES 
制作:ホリプロ 配給:MomentumLabo.